未来への責任 常陸太田市議会議員 平山晶邦(ひらやま まさくに)

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常陸太田市に関する話題や、地方自治行政の話、近況などをお伝えします。

総事業費 約15億円「複合型交流拠点施設」(2)

国の補助金で施設整備をするメリットとデメリット

今回の施設整備は、農林水産省の補助金50%で整備する計画です。補助金には土地代金等は含まれません。国の補助金のメリットは、施設をつくる建設費等を半分負担してもらえるということです。しかし、その後の経営経費等については補助金の交付を受けることはできません。 そういう前提があって、補助金をもらった施設は、その施設の経営が赤字であっても、少なくても20年から30年は施設の経営を続けなければなりません。

「どきどき1号店・2号店」を経営する全農茨城は、施設整備補助金がもらえる団体でしたが、赤字が出た場合に経営の見直しを図ることができるように、補助金の交付は受けませんでした。

このように、補助金交付を受けるデメリットは、事業に赤字が出ても事業をやめることができないし、施設の事業目的以外の使用ができなくなることなのです。

今、全国で、補助金行政が問題になっているのはそのためです。市民の皆さんは、どのようにお考えになりますか。

この施設によって農業の活性化は進むのでしょうか

里美の直売所

現在、市内にはJAが経営する5つの農産物直売所があります。今回の事業では、既存の直売所を残しながら、新たに直売所をつくる計画になっています。

常陸太田市の特産品であるブドウやナシは、生産者が直接販売しています。新直売所は、多くの生産者に手間と手数料をかけながら、品物を出荷してもらえるのでしょうか。本市は、水田単作・露地栽培が主流の農業で、冬場に地元農産物を確保することができるのでしょうか。農業に従事されている皆さんの高齢化も進んでいます。

「どきどき2号店」は、牛久市ばかりでなく周辺の市町村8つのJAから協力をもらい、委託生産者は200名ですが、実際は50名程度の生産者しか出荷していません。茨城町の「どきどき1号店」は、委託生産者が100名で実際は約40名という現状です。

水府の直売所

金砂郷こめ工房


常陸太田、金砂郷、水府、里美地区と、広域に散在する委託生産者が、河合町に計画している新施設に、年間を通じて地場農産物を安定して出荷することは可能でしょうか。この施設整備によって、常陸太田市農業の活性化が進むのでしょうか。

市民の皆さんは、どのようにお考えになりますか。

既存の商業施設や農産物直売所等地域への影響は

市内には、地元資本のスーパーや農産物直売所、そして市内でレストランや食堂を一所懸命努力しながら経営している多くの方々がいます。計画されている施設は、これら個人の経営に影響があると、市は考えています。しかし、地域への影響調査は、まだ実施されておりません。

常陸太田せやの径

常陸太田さとの径


財政が厳しい時代に、民間の農産物の販売や飲食店の経営を圧迫することを認めながら、市行政が行う事業としてふさわしいものなのでしょうか。

市民の皆さんは、どのようにお考えになりますか。

皆さんといっしょに考えたい

私は、常陸太田市内全域での交流人口の拡大、地場産業の活性化、そして地域振興を図ることは大賛成です。しかし、今回計画されている施設がはたして常陸太田市の未来にとって必要なのかどうかは、議論あるところだと思います。

常陸太田市は、茨城県内44市町村中41番目の、財政力が0.45と極めて財政が乏しい自治体です。また、茨城県で2番目の高齢化が進んでいる地域であり、人口が少ない那珂市や常陸大宮市などに比較しても、出生数が低く、年間約250人しか生まれていません。

財政破綻した夕張市は、交流人口の増加を期待して、「雇用を守る」とか「炭鉱から観光へ」のキャッチフレーズのもとに、過剰投資を続けた行政を進め、破綻しました。

今回の複合型交流拠点施設の事業は、レストランや直売所など、民間事業者を圧迫しながら、総事業費15億円もかけて、赤字になった場合は市民の税金を使いながら経営します。本当の意味で、行政が行わなければならない事業なのでしょうか。財政が厳しい本市においては、「ないよりはあった方がよい」ではなく、「市民にとってなくてはならない」ことを行政が行っていかなければならないのではないでしょうか。市民の皆さんと一緒に考え、皆さんのご意見をお聞かせください。

常陸太田市は、すごい速度で人口減少、少子高齢化が進み財政の縮小が進む地域です。 行政は「透明でシンプルでスモールな経営」を心がけなければならないと思います。それゆえ、ハコモノではなくて、人に対して、人に行政サービスをつぎこむ時代になっていくと、私は考えています。

第6回 議会報告 2011年2月(PDF)

付記

今回、ここで掲載している数字や内容は2月1日現在で説明を受けている、H22年6月に作成された「常陸太田市農村地区活性化計画」、8月20日に示された「常陸太田市複合型交流拠点施設整備概要(案)」、9月7日に示された「収支計画概要(案)」と9月、12月定例議会での一般質問に対する執行部の答弁を基に作成いたしました。

総事業費 約15億円「複合型交流拠点施設」(1)

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